2015/1/10 【fuse along with clepsydra and zephyr】@野毛「DOLPHY」2日目

fus

田中信正(p)坂井紅介(b)つの犬(ds)from fuse

2014_8_29この日はfus(fuseの井上さん以外の3人)にゲスト仙道さおりが加わる予定が、数日前の告知でfusだけに変更になっていました。)

 毎年1月初めのfuse3daysは、井上さんが新曲を多く(確か1.2年目は全曲!)書下ろす。今日はコンスタントに井上さんが曲を書き続け、レパートリーが増えていく事でライブで演奏される事が少なくなっていた初期の(個人的にはLiveCDで最も聴き込んだ思い入れのある)レパートリーが随分登場しました。

 3dasyに行く事で知り合った方々がいます。2日間、3日間来る方達は、同じ曲でもその日の演奏によって音楽が全く変わってしまうのを知ってしまい、それを聴きたくて来てしまう方達です。
fuseはそんなBandです。
私は'98 fuse結成直後から年に数度ずっと聴いています。 初めての"fus”(6.7年前?)も聴きました。昨年(2014年)11月に引き続いての"fus”ですが、私は久々です。

1st set
1.「North Rider」
落ち着いたテンポ。solo changeの方法も変化。「このテンポでやってみたかった」つの犬。私はこの表現方法も好きです。
2.「Birth of Life」
構成、アレンジは変わらないけれど、themeのsaxpart分をpfがカバー。さすが田中くん。dsのバランスのとり方も絶妙。
3.「Gratitude」
大好きな曲、久々でうれしい。紅介さん、愛してます。
4. 会場参加型「レソラ」遊び by紅介さんのアイデア、指導。
「レソラ」を使って何か(遊びでも曲でも)やる、と言うのが、井上さんからメンバー全員への今回の「課題」。
レソラ(ラは「打」に読み替え。会場はラと一緒に叩く)のパターンが2種類、紅介さんより提示。
合図により どちらかを数回弾く。この組合せ+αを皆で。今日はこの後、いろんな場面でこのパターンが登場する予感。 いや確信あり。だってfuseたもん(笑)
5.「Fire”のぶ”works」by田中さんアレンジ
何度となく聴いておりメロディ歌えるはずの「Fireworks」。 今日は「あれ?どんな曲だったっけ??」後テーマでやっとメロディが追え、ハーモニーや拍子でこうも曲って生まれ変われるのね、としみじみ。
6.「冒険」byつの犬さんのリズムアレンジ
紅介さんが「みんな、好きな曲アレンジしてこようって言ったら、bassのパターン作ってきたりするんだよぉ。 余計なお世話だよ。(笑)」って言われていたけれど、つの犬さんは自分のパターンを変えてました。(笑)
2nd set
1「Grasshopper」by紅介さんアレンジ
ほーら、やっぱり「レソラ」パターン出てきちゃった、参加しちゃった~。 ライブ後「千の風、弾いたのわかった?」と、田中さん。気が付き損ねたけど「茶摘み」も弾いてたよ。
2 田中さんの「レソラ」曲
1st setのMCの中で、後半に田中さんのレソラ曲をやる話をした時の「・・・・がんばります!」と言った紅介さんの顔。
つの犬さんの顔も変わっている。たまたま、前日のライブ後、紅介さんが田中さんに「ちょっと弾いてみてよ」。
つの犬さんと2人で聴いて、つの犬さんが田中さんと話し合ったりしているのを横目に見てました。そして、今日の本番。
こういう風に音楽が作られていくのだな と。 曲は井上さんの色とは違う、fuseにはなかった世界。でも曲が広がっていく感じはやっぱりfuse。
3「Little Tree~Witchi-Tai-To~I kin ye」
MCでつの犬さんがLittle Treeという曲、そして小説に対する思いの丈を。
I kin yeは、初期 毎回演奏しどんどん変わっていった、懐かしい曲。
Liveではあまり聞いていない(やっていない?)シンプルな曲、Little Tree。
そのシンプルなメロディとパターンが淡々と、でも深く静かに存在する。印象に残った1曲でした。
4「Flood」
前日に引き続き。これはいつものfuse。
アンコール 「ずっと」
いつもより「太い」音楽でした。

 今日は井上さんがいらっしゃらない3人。井上さん以外のメンバーの曲、アレンジも含まれるという違いもありました。
今に始まった事ではないけれど、fuse(そしてfus)は、どう展開するのか転がるのかわからないスリリングさ、誰かが曲の中で「遊びに」行って他の人が守ってたり、みんなで一緒に遊んだり、外れて行ったり。でも、お互いに尊重して聴いているからアンサンブルは自在。それぞれ自由。牙をむいたり、おちゃめだったり、静謐だったり、熱かったり。表現の幅が広い。バンドの信頼感、共有感、テンションは高いけれど神経質ではない。上手くいかないところもひっくるめて、丸ごと認めて「それが音楽である」事。音楽って生き物。その時どううごめくかわからない・・・。なんか、結局、人生と一緒じゃん。でもfuseが最初からそうだったって訳じゃない。メンバーの意欲やアイデア、自由さ、やんちゃさを、リーダー井上さんが認め、おもしろがり、時には諦め(笑)「野放し」にしてこんな風になったと思います。

 井上さん、お待ちしております。生き物fuseを さらにうごめかせて下さい。

2015年1月11日 中島由紀子